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スピーカーセッティングにこだわり過ぎない
どのようにスピーカーをのセッティングの正確に求めても、理想的な空間(部屋)は、確保することが出来ません。
オーディオにとって黄金比率の部屋の理想であっても、正確な黄金比率の部屋の確保は現実的に不可能です。
また、部屋にスピーカーのみを配置したような理想的な空間を確保できたとしても、部屋が殺風景になってしまったり、落ち着かない部屋になってしまいます。
完全な部屋で完全なセッティングに成功したとしても、後に他のオーディオ機器を持ち込んだり、レコードを置く棚などを設置しなければならなくなると、直ぐに完全と言うものから外れてしまいます。
ある程度、オーディオに部屋を合わしていくことは、より良い音を求めることで楽しく良いことと思いますが、極端に正確さを追求しすぎるとオーディオの本来の楽しみの音楽をより良く楽しむことが出来なくなってしまいます。
それでは、本末転倒です。
スピーカーの角度を正確に調整するのに、レーザー墨出し器などの機器を使用して調整したりすると僅かな誤差が気になってきます。 完璧に調整したセッティングで再生音が定位がずれていると感じた場合は、永遠に悩みが生じかねません。
この問題は
『スピーカーの左右の固体差ではないか?』
『スピーカーを交換しよう!』
『アンプが怪しい』
『部屋が駄目だ!』
など、どんどんとエスカレートして限りがありません。

正確な追求がエスカレートしていくと視聴するポジションも1mmのずれすらも容認できなく、何に対しても神経質にとらえるようになってしまいます。
『音楽を聴いて、リラックスが出来ない』
なら、オーディオで楽しみもなくなってしまいます。
それでは、何のためにオーディオを追求しているのか分からなくなってしまいます。
すべてことは不完全であることを認めたうえで、最良のセッティングを心がけると気持ちがたいへん楽になります。
スピーカーセッティングにこだわり過ぎない自由なセッティングをした方が、オーディオがより楽しくなると思います。
自分の感性を信じよう
スピーカーのセッティング方法の中で、私自身の考えやオススメする方法を解説させていただきました。 他サイトやオーディオ雑誌などでも、さまざまなスピーカーのセッティングの方法を詳しく解説されています。
これらのセッティング方法は、あくまでもオーディオをより良く楽しむ為の方法論で、どのような合理的な方法論でも完全なものは存在しません。
本サイトで解説しているセッティング方法が、絶対的に正しいとはいえなく、その方法に固守する必要はどこにもありません。
どのようなセッティング方法論も、1つの見解として自分自身に消化して利用すれば良いと思います。
また最良と思われるッティング方法は、それが自分自身の感性にあえば利用すれば良いことで、もし自分自身の感性に合わなければ採用する必要は全くありません。
あなたの持つ感性は、どのような天才といわれる人でも持つことも感じることも出来ません。
あなたの感性は、あなた自身のものであり
『自分の感性を信じて』
いろいろなスピーカーのセッティング方法の中から、最良と思えるものを選んで実践することをを望みます。
必ず、あなた独自の最良(世界一)のスピーカーのセッティング方法が見つかることだと思います。
オーディオ・メーカー編
このサイトで掲載したスピーカーの最適なセッティング方法は、スピーカーを視聴する側から考えたセッティングの方法です。 スピーカー製作する側のオーディオメーカーは、性能の良いスピーカーに製作と共に最良なセッティング方法についても研究する必要があります。
現在はコンピューター・シュミレーションの発達により、設計から製作までのスピードが大幅に改善されました。 しかし、シュミレーションはあくまでもシュミレーションであって自然をすべて捉えたものではありません。 現在のスピーカーを製作しているメーカーが、どれぐらい実際いろいろな部屋で実測して調べているでしょうか?
個人の自作でスピーカーを製作する場合シュミレーションを利用することは、大変有用な利用方法であると思います。
しかしプロ(メーカー)としてスピーカーを提供する場合は、シュミレーションだけでなく、考えられる実際の場所で測定や視聴して設計や製作必要があります。 それができなければ、メーカーとしてのプライドとして一般個人が製作するスピーカーよりも良質なものを提供できません。
メーカーのカタログなどを読んでも実際の部屋で実測している様子は、全く見当たりません。
スピーカー製作するにあたり、無響室や反響室、さまざまな場所での再生状況などを実測して提供しているプロ(メーカー)はどれぐらいあるか疑問です。
実測することは、必ずそのメーカーの技術的なノウハウの蓄積になり力、魅力、信頼性につながります。
スピーカーのセッティングにおいても、視聴する人が考えられるあらゆる状況を想定して実測して研究していく必要があります。
一般ではなかなか実行できない実測することで、一般の出来ないレベルの製品を提供することがプロ(メーカー)しての役目だと思います。 個人(素人)の製品レベルよりも高いレベルの価値のある製品を提供できなければ、プロ(メーカー)の存在意義はありません。 (個人(素人)を低く評価していることではありません。 最近はむしろ個人(素人)の方がメーカー以上の研究心があり、メーカーを超えている可能性があると思っています。)
プロ(メーカー)は、プロ(技術者)のプライドのある製品を提供していくことを心から望んでいます。
それこそが、メーカー(技術者)と購入者及びすべての人の幸福につながると思います。
おわり