File No.36-7 マイルス・デイヴィス-『Kind Of Blue』CDの研究(7) -ディジタル-

マイルスデイビス『Kind Of Blue』の多数のCDを視聴を終えて、考えるべき問題について解説しています。

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マイルスデイビス『Kind Of Blue』の視聴を終えて(感想)

今回、多数のマイルスデイビス『Kind Of Blue』のCDを紹介させていただいたのは、『Kind Of Blue』のモノラルバージョンのCDが発売されていたことかがきっかけでした。

『Kind Of Blue』のモノラルバージョンのCDの音を聴いたとき、このCDは最高とはいえないものの、ジャズを楽しむオーディオファンに結構面白いのでではないかと思い紹介しようと考えました。

それで『Kind Of Blue』のモノラルバージョンのCDについて、掲載していこうと考えたのですが、ついでに昔の『Kind Of Blue』CDについても紹介しようと思いました。

今回、改めて多数のマイルスデイビス『Kind Of Blue』の視聴した感想)は、ジャズのレコードやCDで音の優劣をつけるのは難しいと思いました。

かつてジャズの音を楽しむ方法は、アナログレコードが一番良いと考えていました。

オリジナルレコードであれば、尚更良いと思っていました。

このジャズを楽しむのはアナログレコードが最高であるという考えは、現在でも間違いないと考えていますが、今回の多数のCDの視聴を終えて少し複雑な思いになりました。

確かにオーディオでジャズをアナログレコードで楽しむことは、贅沢で最高の楽しみであることは間違いありません。

しかし、音楽がジャズ故に難しい問題があると感じました。

新しいリマスターCDの『Kind Of Blue』を視聴したとき、音の好き嫌いはあるものの柔らかくムードのある音楽も悪くないと思いました。

ジャズは、緊張感のある突き詰めた音を楽しむことも良いのですが、ゆったりとしたムードのある音で楽しむのも良い方法です。

ジャズをレコードで楽しんでいた時代でも、ジャズに緊張感を求めるかムードを求めるかでカートリッジやイコライザーを選定して楽しんでいました。

そのことを考えると、

『新しくリマスターされたムードのある音のジャズもありかな』

と思えてくるようになりました。

私自身は、アナログレコードで緊張感のある音を楽しむのことを好んでいましたが、改めて多数の『Kind Of Blue』CDを視聴してからムードのある音でジャズを楽しむことも良いように思うようになりました。

ポピュラーやロック音楽ならボーカルの声などの緊張感が必要から、レコードの音でしか得られないことから譲れないところもありますが、ジャズはムードを楽しむ音楽でもあるので新しくリマスターされたCDでも十分に楽しめるように感じました。

1つ問題があるとすればジャズのCDは、リマスターされていくごとに滑らかな音場の加わったムードのある音になっていくようなので、緊張感のある音を求めていくとアナログレコードや初期にCDを求める必要があるということです。

リマスターCDで考えさせられること

CDが発売されてから数々の高音質のリマスターされたCDは登場してきました。

この新しくリマスターして新たにCが発売される兆候は、ハイレゾ音源が登場した現在・今後もも変わらないでしょう。

私自信は、CDが発売されてから良い音のCDを求めて同じ内容のCDを何個も聴き比べてきました。

新しく発売されたCDの音は常に一長一短があり、いつの間にか新しいCDの購入することをやめてしまいました。

そのうちに自分自身が、アナログレコードの音を求めていることに気づきました。

CDが登場してからオーディオがディジタル・オーディオというものが主流となってから、より高音質という名の元で毎回リマスターCDが多く発売されるようになりました。

今後ディジタル・オーディオが高音質のハイレゾ音源やSACDに発展していっても、この状況は、何も変わらないでしょう。

一度ディジタルにした音源は、編集や音の変換が自由すぎることで、あらゆる方法で高音質が追求できることが、かえって原点の音を忘れてしまう可能性もあります。

ディジタルというものは、どのようにもなるということが大きな障害になっていると考えられます。

例えば一度ディジタル化した音データをアップビットで再サンプリングして後に、ディザーなどの変更して元に戻したりすることで、いろいろな音質のものが出来上がってしまいます。

このような方法は、ディジタルを高音質を求める方法のほんの一部あって、その他の数百、数千、数万とありとあらゆる方法が考えられます。

この状態を繰り返すことで高音質という永遠のループに状態に陥る可能性のあるディジタルというものは、たいへん恐い存在だと感じてしまいます。

私は、ディジタルが発展していくほど、より強く昔のアナログレコードの音を求めていくようになっていく状況に陥ってくるようになってきました。

ディジタル・オーディオを新たに高音質を目指して方向で考える以前に、一度立ち止まって、アナログと音という追求する必要があると考えています。

ディジタルが発展した現在、今後も発展し続けることが想像できるディジタルというものを、存在しないものを補完することでより高音質を求めるよりも、原点に戻って人が認識ができるアナログの状態の音を考え直す必要がでてきているように思います。

原点に戻って考える必要は、ディジタルカメラやビデオカメラなどディジタルを利用して記録・再生するも全てにいえます。

ディジタルは、このまま解らない状態で発展していくよりも、原点に一度戻って高音質をいうもの改めて追求をする必要がでてきているように思います。

原点に戻って追求することが、今後のオーディオあるいはディジタルというものに、発展が期待できると考えています。

                          おわり

                         



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