File No.52-8  なぜ、アナログレコードなのか?(8) -アナログ-

全てのアナログレコードが、音が良いのではないことについて解説しています。

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File No.52 / 08

全てのアナログレコードが、音が良いのではない。

全てのアナログレコードの音が、満足できるものではありません。

アナログレコードの音が絶対的に良いというのでなく、優秀なCDであればアナログレコードの音よりも優れたものが多く存在します。

アナログレコードの音が良いと思って購入しても、音に満足できないものは多くあり、音の良いアナログレコードを見つけ出すのは、一種の賭けのような部分があります。

アナログレコードは、プレス場所(国)によっても音が大きく異なり、プレスに使用しているマスターテープのジェネレーションの違いによる音の差もあります。

また、国(プレスメーカー)の違いによるアナログレコードの製作技術の差も大きく出てきます。

このようにアナログレコードは、簡単には良い音を得ることができないということがアナログレコードの楽しさでもあり、良い音のアナログレコードを入手したときの嬉しさは格別のものになります。

アナログレコードの音の魅力がわかると、音・音質が良いということは、クオリティだけでないということが理解できるようになると思います。

アナログレコードの音の魅力を知るとオーディオが、いっそう楽しくなるのは間違いないことでしょう。

オーディオ・メーカーへの不満

日本の大手の家電メーカーは、レコードプレーヤーを復活させてきています。

オーディオファンのアナログレコードのブームによりレコードプレーヤーが、他のオーディオ機器よりも売れる見込みが立ったからだと思います。

メーカーにとって売り上げることは、企業の目的として間違いとはいえません。

企業の目的として売り上げを求めるのは良いのですが、オーディオにとってアナログレコードの必要性について説明がほとんどされていないように思います。

最近、大手メーカーの新しく登場したレコードプレーヤーのカタログの説明文を見ると、アナログレコードの音にはハイレゾ音源とは違う魅力があるぐらいにか説明されていません。

ハイレゾ音源とレコードの音の違いがあるのは間違いありませんが、アナログレコードの音・音質の良さが全く説明されていないように思います。

この点が、大手家電メーカーに対しての不満です。

売れるからレコードプレーヤーを作るのではなく、もっとオーディオにとってレコードプレーヤーの必要性、音・音質ついて説明してほしいように思いました。

昔であればオーディオ機器でレコードプレーヤーが必要であつことは当たり前だったので、アナログレコードについて説明する必要はありませんが、ハイレゾ音源の時代に発売するレコードプレーヤーであれば、その必要性、特にアナログレコードの音・音質について詳しく説明して欲しいものです。

大手の家電メーカーのレコードプレーヤーの説明では、レコードプレーヤーの必要性は不十分で、ただ単に売れるから製作しているようにも感じられます。

一番の不満のところは、大手の家電メーカーがアナログレコードの音・音質の良さを信じていないように思われるところです。

今、現在アナログレコードの販売好調だから、ただオーディオファンがレコードプレーヤーを求めているから製作するのであれば、新しいレコードプレーヤーの価値が少なくなるように思います。

私は、アナログレコードにはハイレゾ音源では得られない音・音質の良さがあるということを認めており、アナログレコードの音・音質というものを信じています。

大手の家電メーカーが、新しくレコードプレーヤーを発売するなら、レコードプレーヤーの性能追求だけでなく、アナログレコードの音・音質の良さとは何かというものを、もっと研究してレコードの音を信じて欲しいと思っています。

アナログレコードの最大の魅力

音のクオリティの優劣だけでアナログレコードの音を考えると、ハイレゾ音源のクオリティにはかなわないでしょう。

音響技術的に強い方からアナログレコードの音・音質を見るとアナログレコードは、スペック的にハイレゾ音源よりも遥かに劣るので、アナログレコードが音や音質が良いと理由が理解できないことかもしません。

アナログレコードの音・音質の良さというものは、現在のところ紙面上のスペックだけでは比較することはできません。

最近、驚かされたことにアナログレコードが売れているという報道で、インタビューのなかで音響専門家のような人がアナログレコードが音が良いのが売れる理由に答えていました。 

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かつてCDが登場した時代に音響専門家の人が、アナログレコードの音がCDよりも音が良いという理由に、アナログレコードにはCDの再生周波数レンジ4~20000Hzより上の視聴帯域外の倍音成分が入っていてることが音を豊かにすると説明されていました。

しかし、ハイレゾ音源が登場で再生周波数レンジの上限が100000Hzになったことで、音響専門家の人が言っていたアナログレコードの音の優位性はなくなってしまいました。

CDの再生周波数レンジ4~20000Hzより上の視聴帯域外の倍音成分がアナログレコードの音の良さと音響専門家の言葉を信じていた多くのオーディオファンは、ハイレゾ音源が登場したことがきっかけとして、自身がコレクションしていたアナログレコードを大量に処分したオーディオファンも多くいました。

音響専門家の言う視聴帯域外の倍音成分を信じていたオーディオファンが、アナログレコードを処分してしまったことは残念なことです。

ハイレゾ音源の登場するや否や音響専門家のような人が、散々アナログレコードは既に過去の遺産のようなことを言っていたのに、アナログレコードが復活して売れるようになると、驚いたことに手のひらを返したようにアナログレコードの音が良いと言い出しました。

アナログレコードの音が良いと理由に視聴帯域外の倍音成分の記録という、いい加減な情報を流した音響専門家は無責任だと思います。

オーディオというものは、理論的に最もらしいことで説明されても、実際に音を自身で確認しない限りは信用してはいけないということです。

アナログレコードの音は、表面上のスペックの優劣ではなく、視聴した時の音を客観的に判断した上で、アナログレコードの音・音質は良いとしかいえないように感じられるのです。

音楽作品の表現というところにアナログレコードは、ハイレゾ音源にないものをもっています。

それこそがアナログレコードの最大の魅力で。古くからのオーディオファンからハイレゾ音源が存在する現在になっても、長くオーディオファンにアナログレコードをが支持され続けているものだと思います。

アナログレコードの音に魅かれる不思議

オーディオショウや家電ショップで昔良く聴いていた懐かしい音楽を視聴すると、音質には不満がないのですが、何やかの違和感を感じてしまうことが多くあります。

当初は、

  

『オーディオ機器の違いによる差でないか?』

  

と思っていました。

しかし、どのオーディオ機器から流れてくる音も、自身がよく知っている音楽の音には、違和感が解消されることはありませんでした。

ある時、オーディオショップで珍しくアナログレコードを再生されていました。

その音を視聴したとき、全く音に違和感がないのを知りました。

アナログレコードの音は、自身の音楽に対するイメージがしっくりとするのです。

今回、アナログレコードの音の良さというものいろいろサンプル音源などで説明してきましたが、本当のところアナログレコードの音の良いというのは何であるのか解らないのです。

アナログレコードの音の良いというのは、その音楽のイメージがアナログレコードの音の方が、ただ自身にしっくりくるというだけです。

理由は解りませんがアナログレコードの音には魅力があり、アナログレコードに音に魅かれる不思議です。

                          おわり

                         

アナログレコードの写真(2)
アナログレコードの写真(2)


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