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オーディオにハイレゾ音源の登場
オーディオの最高峰が、ハイレゾ音源という圧倒的なワイドレンジ再生が可能になったというのに、ナローな感じのアナログレコード方が、音が良いという不思議なことがあります。
オーディオショウなどでハイレゾ音源を視聴していると、いつも再生される音や音質は良いのは理解できるのですが、ハイレゾの音に満足できないことが不思議でなりませんでした。
ハイレゾの音は、周波数レンジやダイナミックレンジが理想的に広く、ノイズも皆無なのに、音に魅力を全く感じないのが理解することができません。
圧倒的なワイドレンジとダイナミックレンジをもつハイレゾ音源には音場が広く音が美しい特徴があり、サウンドクオリティは間違いなく良いのですが、再生される音に何か物足りなさを感じてしまいます。
CDのスペックからハイレゾ音源へのアップグレードは、アナログレコードが33回転から45回転にアップグレードされたときのような肌でわかるぐらい音質が明らかにアップされたようには感じられません。
ハイレゾ音源には4トラックの19cmスピードから記録スピードが2倍の2トラック38cmスピードのオープンリールに変更したときのような明確に音質がアップしていると感じられる感覚がほとんど感じることができません。
カセットテープを知っている世代のオーディオファンであれば、初めてメタルテープを使用した時に音の良さに感動したような経験がハイレゾ音源にはありません。
アナログレコードやオープンリール、カセットテープのアナログ製品では、アップグレードされると、大幅に音圧やレンジ感が大きく向上していることが肌で感じられるほど良くなったということが認識でき、誰でも音質がアップグレードされているとうことが解ります。
音が向上した感じが、ハイレゾ音源にはないのです。
ハイレゾ音源を視聴すると純粋に音質がアップしたというよりも、音場空間や音の柔らかさや滑らかさなど音の感じが変わったようにしか感じることができません。
ハイレゾ音源が、低歪で大変クオリティが良いことは否定できませんが、ハイレゾ音源になったことで音質が大幅にアップされたことが実感ができないのです。
ハイレゾ音源は、CDの音から純粋にアップされたような感じがしません。
明らかにハイレゾ音源は、大幅にスペックが上がっているのに音質がアップされていることが実感できないのは大変不思議なことだといえます。
そして、もう一つハイレゾ音源は、音のクオリティが良いのですが、再生される音が何か押し付けがましい感じがあるように思います。
そのようなことからハイレゾ音源というものが、私自身、いまいち好めない理由でもあります。
CDが発売された時からハイレゾ音源の考えはあった。
オーディオがアナログからディジタルに変わった時代から、CDよりもスペックの高いオーディオの発想がありました。
ディジタルオーディオが登場した時のオーディオ技術の本の中には、ハイレゾという言葉はないものの、既に1ビット方式やサンプリング周波数を上げることで再生周波数帯域を拡大する方法が書かれています。
しかしCDが登場した時代は、1ビットサンプリングやハイサンプリングするLSIのスピードの不足していたり、記録する媒体の問題があり実現には至りませんでした。
ハイレゾ音源は、LSIや記録媒体の大容量化により技術の発達により、自然な流れのの登場だとだと考えられます。
実はシャノンの定理が登場してから、ディジタルで音や映像を記録することは考えられており、工業技術の革新によって実現したとうことが正しいかもしれません。
そのことからクロード・シャノンという人物は、偉大な天才といえます。
ハイレゾ音源というのは、ハイレゾと名称こそはありませんでしたが、CDが発売された当初から考えられていましたが、当事の技術力では再現が難しかっただけだといえるでしょう。
CDの登場からSACDやDVD-Audioという流れは、オーディオの自然な成り行きだといえます。
オーディオにステレオが登場して
かつてオーディオは、1本のスピーカーから音がでるモノラル音源が主流でありました。
オーディオが登場した当初は、オーディオが大変高価だった理由や適度なステレオの記録方法がなかった理由によりモノラル音源がオーディオの標準でした。
ステレオ記録方式なのどオーディオ技術の進歩によって、オーディオにステレオ再生が登場し、再生音に広がりと奥行きが加わるようになり立体音源を実現することに至りました。
ステレオの広がりによる立体音響の登場は、オーディオにとって革新的な大きな進歩だったと考えられます。
初めてステレオ音源を視聴した人は、2本のスピーカーから発せられるステレオの立体音響に驚き、感動したものだと思います。
それぐらいオーディオにとってステレオをいうものは、衝撃的なことだったでしょう。
現在ではステレオ再生は、オーディオでは普通のことで当たり前の存在になっています。