File No.21-2 タイムドメイン・スピーカーについて(2)  -スピーカー-

タイムドメイン・スピーカーを考える

Home >loudspeaker >File No. 21-2

11 / 02
loudspeaker_tag
File No.21 / 02

タイムドメイン・スピーカーを考える

タイムドメインスピーカーを考える場合、現在販売されているタイムドメインスピーカーを詳細に見ていくことが良いと考えられます。

タイムドメイン理論について知るには、理論的な文献よりも実際にタイムドメイン理論で製作されたスピーカーを見て視聴してみることが、タイムドメイン理論を知る最も手っ取り早い方法だと思います。

現在発売されているタイムドメイン理論で製作されたスピーカーは、大きく分けて3種類のが存在すると考えられます。

この3種類のタイムドメイン理論で製作されたスピーカーが、タイムドメイン理論といのものを分かりにくくしているように感じられます。

まず、これらの3種類のタイムドメイン理論で製作されたスピーカーについて解説していきたいと思います。

タイムドメインという理論で製作されたスピーカーたち

タイムドメインで製作されたスピーカーの画像
タイムドメインで製作されたスピーカー(4種類)

タイムドメイン理論で製作されているというスピーカーは、

 

①、筒状の物に上に向けたスピーカーユニットを筒にマウントしたもの』

 

②、スピーカーユニットを筒型のエンクロージャーに左右に配置したもの』

 

③、フルレンジユニットを卵型にエンクロージャーにマウントしたもの

 

④、タイムドメイン理論を考案した人が、かつてお勤めしていた会社で開発したスピーカー(GrandSepter GS-1)

基本的にこの4種類のスピーカーに分類できます。

1は、音を360度、全体に放射する無指向性スピーカーといわれるスピーカーの変形型と分類できます。 このスピーカーは、筒状のものに小型のコーン型フルレンジユニットを上に向けてマウントして上にむけて音を放射する方式のスピーカーで、スピーカーからの直を直接視聴するのではなく、上に向かって放射された音を天井や壁などの反射した間接音を視聴する方式のものです。

音を360度に放射しているわけでないので純粋な無指向性スピーカーではありませんが、 天井や壁などの反射された間接音を視聴することは、無指向性スピーカーの音の性質をもっているといえます。

①タイムドメイン・スピーカーの画像
①タイムドメインという理論で製作されたスピーカー(1)

無指向性スピーカーは、360度の空間に放射された音を天井や壁に反射した音を聴くことになるので、音場が大変広くなる特徴があります。

天井や壁に反射した広い空間からでた間接音は、スピーカーからの直接放射される音のようなきつさがないので、やわらかく滑らかで非常に爽やかな音が楽しめます。 このような音が自然な音と感じる人もおり、オーディオファンに少なからず無指向性スピーカーの音を好む人もいます。

しかし無指向性スピーカーは、広げた音を聴くことになるために直接音型スピーカーの音より音像が大きくなりやすくなるので、音の輪郭が少し薄くなってしまう特徴がります。

つまり無指向性スピーカーの音は、直接音型スピーカーより音が薄くなってしまうということです。

スピーカーで無指向性のスピーカーの歴史は古く、もともと自然な音を得るために考案されたものですが、直接放射型スピーカーより音が薄くなるということで、高音質を求めるオーディオではメジャーな存在になれませんでした。

現在でも無指向性のスピーカーは、多く存在しますが主に店舗などの音に方向性の必要のない場所で利用されています。

①のタイムドメインスピーカーは、理論的にどうであれ無指向性のスピーカーの特徴を有するものだと考えられます。

②のスピーカーは、筒の中にユニットが対照的に左右に配置したユニークなデザインですが、①のタイムドメインスピーカー同様に無指向性スピーカーの特徴を有します。

②タイムドメイン・スピーカーの画像
②タイムドメインという理論で製作されたスピーカー(2)

③のスピーカーは、小型フルレンジユニットを卵型にエンクロージャーにマウントしたタイムドメイン・スピーカーです。

③のタイムドメイン・スピーカーは、エンクロージャーを卵型にすることで構造強度が高くして、その中にスピーカーユニットをフローティングさせることで、音がエンクロージャーの影響されないように工夫されています。

③タイムドメイン・スピーカーの画像
③タイムドメインという理論で製作されたスピーカー(3)

このタイムドメイン・スピーカーは、エンクロージャーの影響が少ない小口径フルレンジからでる音は、スピード感のある軽快な音質が楽しめます。

このタイプのこのタイムドメイン・スピーカーは、インパルス応答性能が良いことがタイムドメイン理論ということになります。

しかし形状や理論的に優れていても、小型のフルレンジ・スピーカーの性能以上のものを求めることはできません。 タイムドメイン・スピーカーでも、小口径フルレンジユニットからでる音は、低音が不足するので、それを補うために別途でスーパーウーハーが販売されています。

それらのことから3のタイムドメイン・スピーカーは、フルレンジ・スピーカーのベースのスピーカーといえます。

④はタイムドメイン理論を考案した人が、かつてお勤めしていた会社で開発したスピーカー

これは、旧O社の『GrandSepter GS-1』というオールホーン型スピーカーシステムになります。

このグランドセプター(GrandSepter GS-1)は、タイムドメインスピーカーにとって重要だと思いますので、詳しく掲載したいと思います。

④グランドセプターGS-1の画像
④タイムドメインという理論で製作されたスピーカー(4)

グランドセプター(GrandSepter GS-1)について  つづく


loudspeaker_tag
 
Site Search
 
全てのオーディオ・マスターファイルへ
▲このページのトップへ

Home >loudspeaker >File No. 21-2
s