File No.41 / 08
最近のオーディオの音で考えさせられること
スーパーオーディオ(SACD)やハイレゾ音源の音を視聴していると、音像が大きく音が高く上から降り注ぐ感じの音のものが多いように感じられます。
音場が広く滑らかで音のクオリティも良くに感じられるので、これぞスーパーオーディオやハイレゾ音源の音で素晴らしいと思われるオーディオファンも多いように思われます。
しかし、スーパーオーディオやハイレゾ音源の音のクオリティが高くても、音像が大きく感じてしまうと音のリアルさを損なってしまいかねません。
特に楽器などの音像が大きいと、大きなピアノやバイオリンを巨人が弾いているような感じかしてなりません。
音像の大きさは音のクオリティとは関係ありませんが、音像の大きな音を視聴していると目の前で演奏しているような生々しさのようなリアルさがかけてしまっているように思います。
スーパーオーディオやハイレゾ音源の音が、音像が大きく感じるのはオーディオ機器メーカーが最終的な音の調整や音決めするモニタースピーカーが少なからず関係しているのではないかと考えています。
スーパーオーディオやハイレゾ音源を再生するスピーカー
最近、発表されるオーディオの音を視聴していると、考えさせられることがあります。
オーディオに新しくスーパーオーディオやハイレゾ音源などが登場して、以前のCDに比べ再生周波数レンジやダイナミックレンジが大幅に拡大されました。
普通であればスーパーオーディオやハイレゾ音源で再生周波数レンジやダイナミックレンジが大幅に拡大されたことにより情報量が大幅に増えることで、その中に入っているすべての情報を再生しようとする努力するものです。
音の出口であるスピーカーを今まで以上に再生レンジの拡大を目指すのが、オーディオにとって正攻法だと思います。
スーパーオーディオやハイレゾ音源の中に入っている音をすべて再生するための4ウェイスピーカーが多く登場してきても不思議ではありません。
しかし現実には4ウェイスピーカーは、大変少ない状況です。
もちろんオーディオは趣味の世界なので、音の好みがありフルレンジ・スピーカーや2ウェイスピーカーが多く存在することは別に問題はありませんが、今後のオーディオとしてスーパーオーディオやハイレゾ音源を普及させていこうとしている大手のオーディオメーカーが、スーパーオーディオやハイレゾ音源の素晴らしさを訴えていく広い周波数レンジを再生する4ウェイスピーカーを製作していても良いのではないかと思います。
広い再生周波数レンジとダイナミックレンジをもつ新しいオーディオの良さをアピールするスピーカーがないのが理解できません。
自動車でいえばエンジンはF1クラスでも、タイヤは軽四輪のタイヤで十分だといっているようなものです。
スーパーオーディオやハイレゾ音源が登場しても今ひとつ普及しない理由は、以前のオーディオと比べてどれぐらい素晴らしいかをアピールできるスピーカーが存在しないからではないでしょうか?

スーパーオーディオやハイレゾ音源を普及させたいと考えている大手のオーディオメーカーは、デザインなどで誤魔化すのではなく、真剣に正攻法で広い周波数レンジをフラットに再生するスピーカーを製作していく必要があると思います。
スーパーオーディオやハイレゾ音源を販売するメーカーに、本格的な正攻法で製作したスピーカーの製作を望みます。
おわり