File No.73-8  オーディオは、必ずアナログに回帰する(8) -アナログ-

アナログ・レコーディングに特化したスタジオの登場について解説しています。

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File No.73 / 08

アナログ・レコーディングに特化したスタジオの登場

大手のスタジオやプロ仕様のオーディオ・メーカーが、ディジタル絶頂期の現在、昔のように純アナログでレコーディングできる環境をプロのミュージシャンに提供することができれば、恐らくそのスタジオは、世界の一流アーティストたちの注目の的になることは間違いないと思います。

なぜなら真の芸術作品を求める世界の一流アーティストたちであれば、他のアーティストと違ったサウンド、少しでも良いものを求めるのが普通だからです。

今、プロ仕様のオーディオ・メーカーが、どのように優れたプロ仕様のオーディオ機器やコンソールを製作しても、それがディジタル機器である限り、既に導入されていうので恐らくさほど注目されることはないでしょう。

大変優れたコンピュータを利用した音楽編集システムでも、同じく注目されることはないと考えられます。

各メーカーが、新しい機器を登場させても、スタジオ運営者からすれば、新しい製品を簡単に入れることはできません。

新しい性能の良い機器に魅力が無いことはないのですが、次から次へと高価な機器を導入することに採算的な問題や、既に導入している他の機器の相性などの問題もあり、なかなか導入するには至りません。

またディジタル機器になってから、安定動作させる為のファームウエアの問題などもあり、常に新しい機器を導入することに不安が付きまといます。

そのようなことから、有名スタジオや機器メーカーのスタジオ以外は、ディジタルの最新機種を導入することに躊躇しなざる得ません。

メーカーのスタジオからすれば、新しい機器の広告の為に常に最新の機器を導入するのが当たり前ですが、普通のスタジオでは経済的理由や相性などの理由から新しい機器を、なかなか導入できないのが現状でしょう。

レコーディング・スタジオが、フル・ディジタルになって10数年が経過しているので、ディジタル録音は、既に成熟期にきておりディジタル録音自体が当たり前になっている現在、新しい機器類が少し性能が上がったぐらいで飛びつくようなスタジオは少ないと考えられます。

もし、アナログ・レコーディングの製品が登場すれば、多数のスタジオは導入せざる得ないのではないかと思います。

もちろんディジタル絶頂期の現在でも、コンプレッサーやリミッターなどのアナログ機器は、アーティストやスタジオエンジニアの好みから導入されてはいますが、そのような部分的なものではなく、レコーディングの中核をなすマルチトラックのアナログ・テープレコーダーやアナログ・コンソールが使われることが重要です。

アナログ・コンソールを操作しているジョージ・マーティンの写真
アナログ・コンソールを操作しているジョージ・マーティン

アナログでレコーディングできるスタジオが登場すれば、プロのミュージシャンたちは間違いなく注目することでしょう。

特に一流のアーティストになればなるほど、ビートルズ、ローリング・ストーンズ、レッド・ツェッペリン、マイルス・ディイビス、ビル・エバンスなど多くの世界的な名作を残したアーティストたちと同じアナログでレコーディングしてみたいという気持ちが出るものだと思います。

一流のアーティストというものは、いくらお金をかけてでも良い作品、良い音を求めるので、現在にかつてのようなアナログ・レコーディングできるスタジオに魅力を感じない訳は無いでしょう。

今、才能のある多くのアーティストたちが求めているのは、かつて歴代のアーティストたちが残した名作のような説得力のある音だと考えられます。

そこで、アナログでレコーディングで作品を制作することは、最高に魅力があると思います。

アナログ・マルチトラックレコーダーの写真
アナログ・マルチトラックレコーダー

アナログ・レコーディングの魅力に全く気づかない他の多くのアーティストたちも、一流のアーティストたちがアナログ・レコーディングを始めると、一斉にそのことが伝わりアナログでレコーディングしてみたくなるのではないかと考えられます。

現在のほとんどのスタジオは、ディジタル化されており、アーティストたちが望んでもアナログ・レコーディングをすることはできません。

プレミアム・スタジオとしてアナログ・レコーディングに特化したスタジオにすることが出来れば、他のスタジオとの差別化ができ、アナログ・レコーディングを望んでいる多くのアーティストたちの芸術作品の製作に協力ができるというメリットが出来ます。

アナログ・コンソールとジョン・レノン&ジョージ・マーティンの写真
アナログ・コンソールとジョン・レノン&ジョージ・マーティン

アナログ・レコーディングの魅力については、現在、大手のレコーディング機器メーカーやスタジオ関係の人たちには、まだ理解されていない状況ですが、最近アナログレコードなどの音が一般の人たちに見直され、人気が出てきていることを考えるとアナログを理解されることは時間の問題ではないかと思います。

最近になって、ニュースなどでアナログ・レコードが、売れていると良く聞かれますが、実際に販売が増えてきています。

このような現象は、音楽市場はアナログレコーディングを求めているともいえるでしょう。

プロのミュージシャンたちも、一度、アナログでレコーディングしてみたいと考えるのは、普通の欲求ではないかと思います。

現在にディジタル絶頂期にかつてのようなアナログが必要であるということを理解することは、なかなか難しいことかも知れません。

しかし、何れ大手の機器メーカーやスタジオが、アナログ・レコーディングの魅力を見出して、アナログのマルチトラックレコーダーを導入する時がくるのではないかと思います。

ディジタル絶頂期の今日だから、アナログ・レコーディングに特化したスタジオは、他のスタジオと差別化で出来き大変な価値を持ちます。

ディジタル時代の現在だからこそ、アナログ・レコーディングに特化した贅沢なスタジオの登場が、心底、望まれているのではないでしょうか。

オーディオは、必ずアナログに回帰する つづく

アナログ・コンソールとジョン・レノンの写真
アナログ・コンソールとジョン・レノン


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