File No.62-3  『made in Japan』の意味(3) -コラム-

新しく誕生したH社のNSX(2016年~)について解説しています。

Home >column >File No.62-3

011 / 03
column_tag
File No.62 / 03

新しく誕生したH社のNSX(2016年~)

当初のH社のスポーツカーにあったNSXの開発思想は、何処に消えてしまったのだろうか。

H社の最高級スポーツカーのNSXをアメリカで生産することなど、考えてもいませんでした。

現実社会では、アメリカの環境規制のレギュレーションの変更などで日本国内で生産することが難しいのは理解できます。

しかし、ことが日本企業であるH社の最高級スポーツカーのNSXを日本の最高の技術を投入して日本の技術者の手で全てを国内生産することで、日本の技術者に誇りをもって貰うことが重要であると思います。

どのような苦労が生じてもNSXは、一から日本の技術者の設計で日本で生産することこそが意味があるものです。

最高級スポーツカーのNSXではなければ、ここまでの国内生産に対する思いはなかったかも知れません。

ことが日本企業の象徴的な存在である最高級スポーツカーNSXを、海外生産することは許されざることで日本の心も魂の海外に差し出したような気分です。

最高級スポーツカーのNSXを、海外で生産する意味を全く感じられません。

新しいNSXスポーツカーで最高馬力を誇示しようが、高度なハイブリッド・スポーツカーだったとしても、そんなものは高価なスポーツカーに乗っているというだけの自慢だけで何の価値も感じられません。

新しいNSXには旧NSXにあったような崇高なコンセプトが、欠けているように思います。

確かに、新しく開発されたNSXは、ターボチャージャー搭載により旧NSXを遥かに上回る最高馬力を誇り、電動モーターによるハイブリッド構成のハイテクを利用したスポーツカーで、性能面では旧NSXを遥かに上回っているかも知れません。

しかし、それはただ単にスポーツカーとしての性能が向上しただけで、NSXというスポーツカーとしての考えや設計思想が曖昧な感じが否めません。

アメリカ生産のNSXの写真
アメリカ生産のNSX

初代NSXの開発コンセプトが、あまりにも練りつくされたコンセプトだったので、それ以上のコンセプトを得ることは大変難しいと思いますが、ことが日本を代表とする最高級スポーツカーのNSXになれば、初代のNSX以上の至高の開発コンセプトが求められるのではないかと思います。

新しいNSXは、日本のスポーツカーしか実現できない至高なコンセプトをもって、日本の技術者の誇りをかけて、日本で実現するべきではなかったのではないかと考えています。

アメリカで、最高級スポーツカーのNSXを生産にかかわったアメリカの技術者たちは、誇れる仕事をすることが出来て幸せでしょう。

もしかすると最高級スポーツカーのNSXに携わったアメリカの技術者たちは、H社を利用して、自身の楽しいことをさせてもらっただけだと思っているだけかも知れません。

アメリカの技術者たちにNSXにH社のマークを外しても良いというと、喜んで外すのではないかと思います。

グローバルというのは、日本の誇りや魂の捨ててまで、外国に奉仕するということなのでしょうか。

H社の社長であれば、日本の技術者たちに最高級のスポーツカーのNSXを、この日本で実現させ、魂と誇りをもたせるようにしなければ、H社の社長として失格ではないかと思います。

NSXをアメリカで生産することは、世界のNSXファンに大変失礼なことではないでしょうか。

恐らく世界のH社のNSXを求めるユーザーは、日本国内で精密に品質管理された完全に日本国内で生産された完全な『made in Japan』のNSXが欲しいのだと思います。

『made in Japan』だから大金をNSXにつぎ込めるのだはないでしょうか。

もし、同じNSXでアメリカ生産のNSXと日本生産のNSXが発売されたなら、間違いなく日本生産のNSXの方が圧倒的に人気があると思います。

H社は、世界には『made in Japan』であるNSXを求める多くのユーザーがいることを理解できないようです。

理解していても、アメリカのご機嫌を伺っただけかもしれません。

アメリカ生産なら、アメリカの企業のスポーツカーのテスラやコルベットで十分ではないかと思います。

創業者の本田宗一郎が生きていたら、NSXを海外での生産を許さなかっただろうと思います。

H社で働いている日本の技術者は、自社の最高級スポーツカーのNSXを自身の手で国内生産したいと思わなかったとは考えられません。

もし、そのような気持ちがなければ本田宗一郎の意思を引き継いだ技術者とは言えないでしょう。

最高級スポーツカーのNSXが、アメリカ生産されたことに何も思わなく、普通であると感じるようなら、既に日本のH社の存在しないのと同然だと思います。

新しく発売されたNSXをみて、悔しい気持ちがなければ、H社は、最終的には何処かの企業に買われて、無くなる運命をたどることでしょう。

私個人的には、NSXを購入できる(そんなお金はありませんが。)か別にして新しいNSXには全く興味が涌きません。

新しいNSXがどんなに高性能であっても、日本国内で生産されなかった限り、NSXに日本の魂が抜けている感じがあり、魂のないものに大金を出してまで購入しようとは思いません。

これは、高級オーディオ機器にもいえることで、音質が良い悪い以前に魂が篭っていないオーディオ機器に大金をつぎ込む気持ちになれないのと同じような気持ちです。

もし、私が大金もちであったら、安価になった旧NSXを大量に購入しておくでしょう。

旧NSXは、世界のスポーツカーファンに崇高な設計思想が再評価され、必ず日本の優れた名車として価格が大幅に上がると確信しています。

初代NSXは、世界の名車であるの写真
初代NSXは、世界の名車である。

一流企業であれば社員が誇りをもてる仕事をさせるべき

超一流企業のH社が、自社の最高級スポーツカーのNSXを日本の社員の技術者たちに自分たちの手によって、国内で生産させなかったことには、本当にがっかりさせられました。

日本のH社の技術者たちは、どのように考えているかは分かりませんが、本心は、新しいNSXを自分たちの手によって日本国内で生産したかったのではないかと思います。

資金的に豊かな日本を代表とする一流企業であれば、自社の優秀な日本の技術者に企業を代表とする自動車の全体を設計と生産をさせるべきです。

日本の優秀な技術者たちに、夢のあるような誇りのある仕事をさせることで、技術者たちの指揮があがり、将来、必ず技術者たちに投入した資金以上に会社の利益に貢献するようになるでしょう。

H社であれば、マン島レースの制覇、F1レースの制覇した時の情熱を、現在の日本の技術者に与えることで、企業の活気をつけなければ、何れマンネリ化して衰退していくことは間違いありません。

本田宗一郎の写真
本田宗一郎

社員の労働をお金で買うのではく、社会に貢献するという高い目標を持ち社員から企業の体制をつくりあげていく方法こそが、H社の創業者、本田宗一郎の意思であり至高の経営方針というるのではないでしょうか。

最近の日本の若い人には気力がないなどと偉そうに言う前に、誇りの持てる仕事をさせないといけません。

新しいH社の最高級スポーツカーのNSXを日本の技術者の手によって、この日本で実現させることこそが、日本の技術者の眠っていた魂に炎を上げさせることができるのではないでしょうか。

H社の最高級スポーツカーのNSXは、日本で生産すべき必要があったと確信しています。

『made in Japan』の重要性を軽視する日本企業

現在、本当に残念なのは、ほとんどの日本企業が日本で生産することを軽視していることです。

日本国内で設計した製品でも製造となると、海外の企業に以来するのが普通になってしまいました。

国内で生産しないで設計だけで良いと考える製造業は、だんだんと設計すら海外の企業に委託するようになります。

設計を海外の企業に委託していると、日本企業の技術力が大きく低下して、設計することが出来なくなるのがオチだと思います。

かつて、オーディオ製品など日本で設計・製造していたので、製品の開発・生産する技術力は素晴らしいものでした。

市場には多くの優れた日本で生産された品質の良いオーディオ製品などが、あふれていたものです。

オーディオ製品を1つ買うにも、各社のメーカーの技術が争われていいたので、選ぶのが楽しく、機能や性能の調べるためにカタログ集めに専念したものです。

日本の家電製品には夢があったの写真
日本の家電製品には夢があった。

製品を選ぶ楽しみを消費者に与えてくれたものが、日本の電化製品でした。

しかし現在では、ほとんどのオーディオ製品が、国内生産ではないので魅力がありません。

なぜ、魅力を感じないのかというとオーディオ製品は、音という人の感性を扱う製品で、良いものを製作するには、時間と手間がかかるものです。

最近のオーディオ製品を見ていると、品質もそこそこのインスタント製品に見えてしまうからです。

カタログを眺めても、かつてのような製品にかける情熱のようなものが見いてきません。

グローバルを推進した現在では、はとんどのオーディオ製品が国内で製造されていないので、数合わせで製品のラインナップがあるだけでのように感じられえます。

多くの日本企業は、日本で生産する『made in Japan』の重要性を全く理解していないように思います。

日本国内で設計・生産することで、日本でしか出来ない高品質の製品を製作することができるものです。

海外で生産すると、一見安価に生産できるように見えますが、実際に品質などを以前の日本生産と同等にして信頼性を確保すると、安価には生産することが出来ません。

結局海外で生産することは、品質を抑え安価に生産するということになります。

海外生産による品質を抑えた安価な製品に、アフターサービスなど充実していくと日本で生産する以上のコスト高になるので、必然的にサービスの低下を招いてしまいます。

それらのことは、現在、海外で生産された日本メーカーの製品の評価を確認すると理解出来るでしょう。

日本の一流メーカーのブルーレイディスクが、一年足らずで読み取り出来ないという信じられない不良が普通に起こります。

このようなトラブルにメーカーは、交換で対応するとしていますが、大切なものを記録した情報は永久に戻りません。

製品には不良があることが、普通で当たり前に思うようになったり、何も感じなくなると、製品の品質を追求することなど出来なくなってしまいます。

日本で生産していれば、企業が揃って不良などの問題を真剣に解決しなければならなくなるので、必然的に品質の向上とサービスの向上に向かいます。

また、海外で生産することになれてしまうと、日本国内の生産技術が低下して、日本国内生産の製品の品質が、どんどんと低下していきます。

現在発売されている『made in Japan』の製品は、残念ながらかつて日本で生産していたときのような高品質とはいえない状況になりました。

日本企業が『made in Japan』の重要性を軽視して、海外で生産を重視していくにつれて国内で生産をする技術力が失われていき、独創性のアイデアのある優れた製品の開発力が低下していきます。

そして、日本の企業の各社が、日本国内で生産しなくなると海外の品質が基準となるので、かつての日本で生産していたときよりも品質の追求が甘くなりがちになります。

海外の品質が基準なら、一見するとコストを下げれるので良いように感じられるかもしれませんが、日本特有のより良い品質を追求していくという努力をしなくなると、いつの間にかその企業の技術力が低下して、製品の設計・開発力が低下してしまうものです。

製品の開発力の低下は、企業の衰退を意味します。

そのようなことから日本の企業は、決して『made in Japan』の重要性を軽視してはいけません。

世界の求める『made in Japan』の製品がない日本企業 つづく


column_tag
 
Site Search
 
全てのオーディオ・マスターファイルへ
▲このページのトップへ

Home >column >File No.62-3