File No.76-10  スタジオヘッドホン AKG K240 Studio(10) -ヘッドホン-

モニターヘッドホンは、何でも良いことについて解説しています。

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モニターヘッドホンは、何でも良い

 

スタジオ・モニターヘッドホンを使用して、細かい音を確認しながらミックスダウンをするのが当たり前になっていますが、優れた最終ミックスダウン音源を製作できるなら、ヘッドホンは何でも良いのです。

アーティストたちは、音響エンジニアに頼んで最終CDやSACDになる2チャンネルのミックスダウンの音源を製作するのですが、最終の作品(音源)が、アーティストの満足できる作品を制作出来るなら、音響エンジニアの使用するヘッドホンなんて何を使用しても問題ありません。

しかし、アーティストと音響エンジニアと、作品を作っていくためには、意思疎通がしやすい標準のスタジオ・モニターヘッドホンがあれば良いに越したことはありません。

そのような理由から、標準スタジオ・モニターヘッドホンを統一することに意味はあります。

しかし、音響エンジニアにとっては、自分自身が音を判断しやすいヘッドホンを使用すれば良いだけなので、モニタリングに使用するヘッドホンは、必ずしもスタジオ・モニター ヘッドホンでなくても良いことになります。

実績のある知名度が高い音響エンジニアが、どんなヘッドホンを使用していても、アーティストがケチをつけることはないでしょう。

でも、普通の音響エンジニアが、標準スタジオ・モニターヘッドホン以外を使用しているのを見ると、アーティストたちは少し不安を感じるかも知れません。

どちらにしても、スタジオには標準スタジオ・モニターヘッドホンを備えていて、どうしてもマイヘッドホンで音を仕上げたい場合、音響エンジニア個人で使用すれば良いだけだと思います。

Sony MDR-CD900ST(3)の写真
Sony MDR-CD900ST(3)

超高額ヘッドホンについて

現在のヘッドホンの高級化には、少し疑問を持たざる得ないと思っています。

私自身、特殊なコンデンサー型のヘッドホン以外は、10万円以上するヘッドホンに懐疑的です。

コンデンサー型のヘッドホンは、別途にパワーユニットが必要なので高価になりますが、ダイナミック型のヘッドホンで得られない高品位な大変繊細な音質がえられるので、コンデンサー型のヘッドホンは、ある程度、高価であっても十分に価値があると考えています。

時代により音楽を視聴する方法がiPhoneなどの携帯電話を利用するユーザーが多くなったので、そのユーザーへ向けて販売されるヘッドホンが増えていきました。

そこで、昔では考えられないぐらい異常に高額なヘッドホンが、数々登場しています。

上は700万円を超えるヘッドホンもあり、30万円を超えるヘッドホンが、ごろごろと普通に存在しているのが異常であるしか考えられません。

ヘッドホンにそんなに高額な製品が必要なのか!と考えさせられます。

趣味の世界のオーディオのことですから、どんな高価なものでも買う人がいるから問題ないと思われるかも知れませんが私は、そのような製品が好きになれません。

しかし、最近の異常に高価なヘッドホンは、高価なら良いものと考えるオーディオをあまり知らない人たちをターゲットにしている感じがしてなりません。

確かに高価なヘッドホンの音質は、良いでしょう。

音質が良いからといって、ヘッドホンに30万円以上も必要なのかと考えさせられます。

もし、ヘッドホン・メーカーが、30万円以上のヘッドホンでないと満足できる高音質が得れないというなら、結局そのヘッドホン・メーカーは、技術がないといっているのと同じではないかと思います。

そのようなオーディオ製品が横行すると、オーディオは技術より信仰重視になって結局は、衰退していく道をたどりかねません。

以上の理由から、私は異常な高額のヘッドホンに懐疑的で危機を感じています。

私は、高級で高価なオーディオ機器を認めていない訳ではありません。

高価であるなら、それだけの中身、内容が必要であると考えています。

現在発売されているほとんどの高価なオーディオ機器あるいは高価なヘッドホンは、高音質という最もらしい理論と外側のデザインだけで、中身が存在しないように思います。

かつての高価なオーディオ機器や高価なヘッドホンには、しっかりと物量が投じられたりしてオーディオ・メーカーの真面目さを感じられました。

価格も、ここまですると高価になるのは仕方がないと思える製品が、高級オーディオというものでした。

しかし、現在ではオーディオ・ブームに乗ったオーディオ・メーカーは、中身より価格だけが異常に高額な製品が横行するようになりました。

高額な製品は、買える人が少ないので所有することでステータスになるかも知れません。

オーディオにステータスを求めるなら、どのような高額でも関係なく、私がとやかく言う必要もありません。

高額製品すら買えない貧乏人の嫉妬とでも思って、笑って見過ごして頂ければ良いでしょう。

私は、ステータスより、中身に充実度があるオーディオ機器を求めます。

素晴らしい音質のキャッチフレーズで中身が薄く異常な高額なヘッドホンを見ると、バカにされている気がしてなりません。

オーディオやヘッドホンが、グローバル生産になってから、中身の充実よりも、異常な高額製品が目立つようになりました。

これは、残念と言うしかありません。

決して高価なオーディオ製品や高価なヘッドホンを否定するつもりはありませんが、高価なら高価なりのプライドを見せて欲しいのです。

高音質というどんなに技術的な素晴らしい説明よりも、他の製品では絶対真似することは出来ないぐらい中身が充実した製品という真面目な本物のプライドを見たいのです。

価格が最も高いことや外側が高級だけの製品では、オーディオ・メーカーの本物のプライドではありません。

オーディオファンが、心を打つぐらいの製品、オーディオ・メーカーの本物のプライドを見てみたいものです。

現在でも、真面目に中身の充実した高級オーディオを製作しているメーカーも存在しますが、残念ながら大変少なくなってしまったように思われます。

グローバル化によって、プライドや魂を失う つづく

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AKG K271MKII & Robot(2)

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